同情の壁



「僕は独りでも生きていける」

頼りない心に誓った
自分との約束

辛くないよ
寂しくないよ
悲しくないよ

だから
僕自身を見つめて?

同情は僕に壁を作っていくから


独りでも歩んで行ける
両足に力を入れて
地球を踏みしめられる

怖くないよ
大丈夫だよ
僕は進める

だから
僕自身を見つめて?

同情は僕の心を蝕んでいくから


「時間さえも僕は乗り越えられる」

いつでも前を見つめて
流れる景色を
見続けていられるはず


だけど
いつまでも変わらない人の目


かわいそうに
かわいそうに
かわいそうに


繰り返される言葉は
僕の虚勢をはった心に
穴を開けた

僕の身体を支配し始める
ひどい孤独感
足元が崩れだす

「僕は大丈夫だった」
「僕は独りでも大丈夫だったのに」

同情は僕が強くなるのを防いだ


怖くて
辛くて
足元が竦む

自分で言い聞かせていた
「大丈夫」

その言葉が
冷たく
気休めにしか
聞こえなくなった

誰も見てくれなかった
僕の強くなろうとする意志

だけど
いつまでも変わらない人の目

辛いでしょう
寂しいでしょう
怖いでしょう

僕の意志を無視して
同情は僕自身を見つけられないように
どんどん壁を厚くしていく