ピーターパン・シンドローム



臆病に人を拒む小さな子
その瞳はすべてを冷たく見据えていた


目の前に広げられた手を拒んで
与えられたぬくもりを拒んで


優しいだけならいらない


寂しいのならこの胸に来ればいい
辛いのならこの胸で泣けばいい


そういう人が一番優しくて残酷だと知っている


臆病に人を拒む小さな子
周りを巻き込むのが嫌でぬくもりを拒み続ける


大人になることが
これほど怖いことだなんて知らなくて


すべての時計を止めてしまいたい


別れなど無い世界で
生易しいぬくもりなど無い世界で


小さな子は初めて笑顔を見せた


凍った地面にさえ優しさを感じて
自分の身体を冷やすものにすがりついた


足を投げ出して
ただ目を瞑るだけ


そうすれば自分の望んだ世界へいけると気付いて