フラッシュバック



いつも暗闇で一人ぼっちだった

「君一人だから」
スイッチの切られたテレビ
周りには遊んだままのおもちゃ達

だだっ広いカーペットの上にひざを抱えていた


始めはにぎやかだった室内

気付けば誰も居なくなっていて
辺りは静寂に包まれていた

光と暖かさを奪われたそこで寂しさがこみ上げた

生ぬるい優しさがひどく辛かった


「もうすぐだから」
そう囁く言葉すら憎たらしくて
少し甘えてはすぐに希望を切り裂かれていた

いつしか泣くことを忘れて流れに身を任せていた
そうすれば私を受け入れてくれると思ったから


そんなわけなかったのに


静止画が私の頭に蘇る

相変わらず私は独り
だだっ広いカーペットの上
そばにはずっと影だけが寄り添っていた

嵐が来ても雷が鳴っても
それを怖がっても

そばに居てほしいとき、誰もそばに居てくれなかった
望んだ人も誰も居ない、ただ広いだけのカーペット

フラッシュバックする夜も
結局私のそばには誰も居なかった