ある日の朝



悲しい夢を見て起きた明け方
瞳からあふれる涙は夢の続き

声を殺して少しの間静かに泣いた
白み始めた空をカーテン越しに見つめた

いつまでも身体は起き上がれなくて
ぬくもりを求めて布団を抱きしめた

悲しみが癒えることはなくて
むしろ淋しさが心の中に侵入を果たした

気分を紛らわそうと付けた音楽
歌詞が私に心を隠すなと諭す


なぜか余計に涙があふれた


パステルに変わる眩しい空を
カーテン越しに見上げた

『何も心配するな』
『ちゃんと帰ってくる』
『だから、ここで待っていて』

君が私に夢で残した言葉たち
私が覚えているのは君の後姿まで

続きが思い出せないもどかしさ
その続きが私にとって大切なのに


ただ私に残る悲しみの跡
君を夢で見た最高の証

地平線に姿を現した太陽を
少し強めに目を瞑ってカーテン越しに感じる