桜の想ひで


桜並木の中
ひんやりとした路を逝く




華の咲き乱れる
物寂しい火葬場へと




菊に埋もれた君と共に




いやおうなしに放たれる炎




もう、還って来ない
もう、触れられない




一人にしないで
闇に取り残さないで




届かない声が空しくて




私はただ
ひんやりとした路を往く




桜の花が
風で散るのを見つめながら