キモチ


つたに絡まった鳥がいた

ぐるぐると地に巻きつけられ
翼は押さえつけられるようにたたまれていた

空が恋しい

かぼそく鳥が訴えた
つたは軽く笑っただけだった

翼を広げたい

鳥は啼きながら願った
つたは静かにその様子を見つめた






憧れの空は
表情を変えながら
鳥を待っていた

季節が悲しいぐらいに
早く過ぎていく

お別れだ

つたが静かに言った
そして
静かに眠りについた

鳥は解き放たれた
けれど
なぜか寂しかった

さようなら

恋しかったはずの空に
鳥は飛び立つしかなかった