別れ



空はどんよりと曇り
人々はうつむく
手の中の冷たい笑顔が寂しくて


貴方の新たな名前を
私は目の前に涙すら流せずに


周りは真っ暗な闇
ひんやりとした冷気が足元に広がる


春風すらも
私には届かない


空はゆっくりと流れる
人々は口を閉じる
目の前の貴方に私の手は届かない


貴方の新たな世界を私は知らなくて
ひどく嫉妬した


周りは真っ暗な闇
おぼつかない足取りで温もりを探す


光すら
私には届かない


空からさす光に
人々は涙を流す
胸を締め付けるこの想いが解らない


貴方の新たな姿を私は認めない
認めたいのに


周りは真っ暗な闇
いつかは貴方が迎えに来てくれる


そんな願いすら
貴方に届かない


空から覗く青色に
人々は別れを告げる
私は動けずに見送るだけ


貴方の新たな路を
出来るのならば
断ち切りたい


周りは真っ暗な闇
私は理由の解らない涙を流す


無力な私には
何も出来ない


空が赤く染まる頃
貴方の行く路を
こっそりと私に告げてくれた


貴方の世界を応援していた
あの頃


周りは真っ白な光で
貴方の温もりに触れていたのに


別れは
突然すぎて


あの頃と似たように
空が赤く染まる頃
人々は家路を急ぐ


まるで
もう貴方が故人のように


私の視界に
貴方はいない


私の周りは暗闇のまま