時の流れ



二人で過ごした 大切な日々
喜びも 悲しみも
それらがすべて知っていた


忘れないためにとシャッターを切り続けた
甘く苦い心を締め付ける想いと
熱い眼差しがその中で交差していた


二人で過ごした 大切な時間
止めることは出来ないけれど
切り取ることは出来た


角のすれた思い出の欠片達
これはどこで撮ったっけ
一人で見返す悲しさが襲う


貴方への想いも
手の感触も 声の低さも
今ではどれだけ思い出せる?


未来に二人で思い出話にしよう
そういった貴方はまたシャッターを切った


私ばかりがその中にいて
貴方がいるのは ほんの数枚
薄れていく記憶の中


手探りで欠片を繋ぎ合わせる
大切に ゆっくりと 慎重に
貴方と私の軌跡が交差する


あの時 貴方と聞いた歌
あの時 貴方が言った言葉
あの時 貴方がくれた温もり


私だけでは繋げられない線が
思いのほか多くなってきていた


時は私の軌跡を所々蝕んでいく
大切なことを忘れている気がしてならなくて


二人が過ごした 叶わぬ永遠
少しずつ 少しずつ
大切だと思っていたものが
順序を変えていく