サヨナラの道



私はただ歩き続ける
君とのサヨナラの道を

今が寂しくて
今が切なくて
君と繋いだ手を離したくなくて


心の中はいつも大嵐


だけどこの道は続いていくから
私は足を進めるしかなくて

君と別れる交差点が近づいて
顔は涙を見せないようにどんどん下を向いた

君は微笑んで
今を忘れないと
私の心に暖かさをくれて

泣かないと決めていたのに
勝手に瞳は潤み始めた

しゃがみこむ私に
君はそっと頭をなでた

今が止ってしまえば
今が永遠に続くならば
君のこの暖かい手も居てくれるのに


心の中は依然と大嵐


僕たちの心は離れないよ


君の残す言葉が
どんどん心の中に蓄積されていて
胸が締め付けられて泣いた

君の顔を見たくなくて
君の背中を見たくなくて
自分の涙にも気付きたくなかった

だけどこの時間は進んでしまう
誰にも止められない

サヨナラを交わしたくなくて
でも言わなければ後悔してしまう

君の背中に腕を回して
思っていたよりも広いその胸に
私の涙を預ける


いつか交わっているよ


君は私の頭を撫でながら
そっと言った

今、この温もりだけを
今、この感触だけを
今、君の腕の中だけを
独り占めさせて

長く立ち止まることは
この道では許されない

一瞬のことでも
私には十分すぎて


君と再びかたく手を繋いで


私をあやそうとする君に
最後のアリガトウを言って

サヨナラの桜が咲くこの道を
私は結末に向かって歩き続ける

君の居ない未来でも
君の言葉が生き続けるその未来で
生きていくために

その向こうの道を
スタートさせるために