月明かり
君を待つこの夜は
月明かりばかりが眩しかった
そっと心にカーテンを引いて
抱えたひざ小僧に顔をうずめる
大きすぎるソファの真ん中
両側の冷たさが怖かった
僕の身体に触れるように
両側にクッションを置いても意味が無い
一人の部屋は寒すぎる
君が早く帰ってきて
空の上に星が僕の願いが滑り落ちた
速くて、儚くて、虚しかった
無常な時計は知らん振り
震えることの無い携帯を握り締め
僕は顔をうずめたまま
窓からやってくる月明かりに照らされる