君に捧ぐ詩



私は嘘つき


与えられていた愛情に目をつぶっていた
与えられていた体温を悲しんでいた


叶うことの無い願いを胸に秘め


少しぐらい可愛いことが言えたなら
少しぐらい甘えることが出来たなら


言わなければ伝わらないのに


君は遠くに離れていってしまうのに
私はじっと見つめたままサヨナラも言えない


ただ、伝う涙に気付いてほしかった


少しぐらい素直になることができたら
少しぐらい口を動かしていれば


こんなに、こんなに後悔しなかったのに


いまさら言っても届かないのに
いまさら言っても君は私の前に来てはくれないのに


こんなに好きだってどうして伝えられなかったの?


愛情に飢えた私にそれを教えてくれた
孤独におびえた私を抱きしめてくれた


私はまだ、アリガトウすら言っていない


ゴメンネもアリガトウもスキも
全部、全部伝えてあげられなかった


私は君を包む炎の音を聞いた


返してって叫んで飛び込んでいきたかった
煌々と輝く赤い炎が悔しくてひどく怖かった


もう、戻ってこないと背後で闇が笑っていた


愛情をもらうことも出来ない
孤独におびえる日が再び訪れる


そして、もう、君に触れることも伝えることも出来ない


夜、さびしさにすすり泣いても
朝、君にスキだと呟いている
無意識に君の体温を求め続けている


だから、私は君に詩を書く
私は君を愛していた痕跡を残したいから