物語



徐々に消えていく懐かしい風景
君と歩いた田んぼ道も
君と遊んだドカンの群れも
消え去ってしまった

何回転んでも
君はそっと手を伸ばして
大丈夫?って笑ってた

君の背中にしがみ付いていた
君とこいだブランコも
その下に出来た足跡も
私にはみんな大切だった

何回泣いても
君はそっと拭ってくれた
頭を撫でてくれた

君との物語に浸ることで
私は虚室から抜け出せた
君という物語を私は感じていた


もっと、ずっと一緒でいたかった


突然終わりを告げる
君の私の物語
最後のページに何回も書く
終わりの文字

何回言っても
きっと君には伝わらない
好きでした

君との思い出に加われなかった
最後の物語

もう何回泣いたって
拭ってくれない
もう何回転んだって
助け起こしてくれない

アスファルトの坂の上
君のお墓の前でだって
もう、君の物語は進まない