鈴の音があたりに響く
君が来る合図


ほら、逃げなくちゃ
でも、足は動かないよ


空は真っ赤に染まって
僕はただ頭を抱えて
その場にうずくまった


僕の半身が炎に包まれ始める


君はそんな僕を見て
笑いながら剣を振るう


心が切り裂かれていく


足が震えてる
だけど、動いてくれた
僕は身を起こして
助けを求めながら駆け出していた


手を伸ばした先の暗闇は僕を跳ね返す
踵を返した光の中に君はずっと立っていた
右にはデタラメな月が居て
左にはウソツキな太陽が居た


光と闇のはざまで
行き場を失って
僕はまたうずくまる


悲しいと思うたびに半身の炎が威力を増して
熱くて冷たい感覚に僕は生かされていた


君は闇を恐れて僕には近づかない
小さく震えた肩を見つけて


それがさびしくていたくて
君の存在が大切だって事にまた気付いて
愛しさがこみ上げた


どれだけ傷つけられても
それが君の強がりだって分かったから


もう、君の元へ戻るよ
もう、逃げないよ
もう、大丈夫
だから剣を下げよう?


ゆっくり君の居る光へと進んだ
君は少し安心したようだった


また、僕は君の表情に騙されて
燃える炎を信じて
光をたどる